いじめ防止基本方針

松阪市立松尾小学校いじめ防止基本方針

2023年4月12日

1 いじめの定義といじめに対する本校の基本的な考え方

〔いじめの定義〕
  「いじめ」とは、児童等に対して、当該児童等が在籍する学校に在籍している等当該児童等と一定の人的関係にある他の児童等が行う心理的又は物理的な影響を与える行為(インターネットを通じて行われるものを含む。)であって、当該行為の対象となった児童等が心身の苦痛を感じているものをいう。

「いじめ防止対策推進法」より

〔基本理念〕
  いじめは、いじめを受けた児童の教育を受ける権利を著しく侵害し、その心身の健全な成長及び人格の形成に重大な影響を与えるのみならず、その生命又は身体に重大な危険を生じさせるおそれがあります。
  したがって、本校では、全ての児童がいじめを行わず、及び他の児童に対して行われるいじめを認識しながら、これを放置することがないようにするため、いじめが児童の心身に及ぼす影響その他のいじめの問題に関する児童の理解を深めることを旨として、いじめの防止等の対策を行うこととします。

2 学校におけるいじめ防止等の対策のための組織

  いじめの防止等の取組を実効的に実施するため、次の機能を担う「いじめ問題対策委員会」を設置する。

(1)いじめ問題対策委員会の構成員
校長、教頭、2部会部長、生活指導担当、人権教育担当、特別支援教育代表
スクールカウンセラー

(2)いじめ問題対策委員会の活動内容
①生活指導年間計画の作成、実行、検証、改善に関すること
②いじめ防止に係る研修会等の企画、運営に関すること
③いじめの未然防止に関すること
④いじめの早期発見に関すること
⑤いじめの早期解決に関すること

3 いじめ防止等の対策のための具体的な取組

(1)いじめの未然防止のための取組
  いじめとはどの子どもにも起こりうるという事実をふまえ、全ての児童を対象に、いじめに向かわせないための未然防止に取り組みます。

【具体的な取組】
①互いを認め合える人間関係をつくります。
・心の通じ合うコミュニケーション能力を育成するため、計画的に体験活動を行います。
・体験活動を通して、友だちとわかり合える楽しさや喜びを実感させるとともに、表現力やコミュニケーション力を育成します。
・全校集会や学級会、縦割り班活動等を通して、人と関わることの喜びや大切さに気づかせ、互いに関わりながら絆が深まるように進めます。
・各教科や総合的な学習の時間等において、グループやペアでの活動を取り入れることにより、互いのよさを認め合い、高め合う集団づくりを行います。
・規律正しい態度で、授業や行事に主体的に参加し、活躍できるような授業づくりや集団づくりを行います。
・道徳の時間等に人権尊重の精神や思いやりの心などを育てます。
・情報モラル教育を推進し、携帯電話やインターネットの正しい利用法や危険性についての理解を深めるとともに、相手を思いやる気持ちを育てます。
・公開授業など互いの授業を参観し合う機会を日々の教育活動の中に位置づけ、子どもの様子を観察したり、授業改善を行ったりします。
・職員研修等でいじめに対処していく専門的なスキルを学び、資質向上に努めます。
・学級満足度調査結果を考察し、その対応策を考え、職員研修で共通理解をはかるとともに、よりよい学級経営に努めます。
・スクールカウンセラーやハートケア相談員等と積極的に連携し、教育相談の充実に努めます。

②自己肯定感や自己有用感を育成します。
・道徳の授業等を通して、児童の自己肯定感(自分はかけがえのない存在であると思う気持ち)や自己有用感(自分は人の役に立っているという気持ち)を育成します。
・誰もがみんなの前で活躍する場面をつくり、一人ひとりのよさを心から認め合う学級づくりを進めます。
・わかる、できる授業をめざし、児童一人ひとりが成就感や充実感をもてる授業の実践に努めます。
・縦割り班活動や委員会活動等を通して、人と関わる喜びや大切さに気づき、人の役に立っている、人から認められているといった自己有用感を獲得させます。
・ボランティアの方や地域の方々とふれ合い、自分も社会の一員として必要な存在であることに気づかせます。

③家庭や地域と連携して取り組みます。
・情報モラル教育を推進し、保護者と児童が「インターネット利用」や「携帯電話の使用」のルールづくりを親子で考える機会を設定します。
・PTA講演会及び学級懇談会を開催し、教職員と保護者が、子どもたちの人権を守るために学校としてできること、家庭としてできることについて考えます。

(2)いじめの早期発見のための取組
  いじめは大人の目に付きにくい時間や場所で行われたり、遊びやふざけあいを装って行われたりするなど、大人が気づきにくく判断しにくい形で行われることが多いことから、子どものささいな兆候も見逃さず、早い段階から的確に関わりを持つことにより、いじめを積極的に認知します。

【具体的な取組】
①いじめを相談しやすい体制を整えます。
・教師と子ども、子どもと子どもの信頼関係を深め、悩みごとを一人で抱え込まず、誰かに相談できるようにします。
・日頃から児童の見守りや信頼関係の構築に努め、児童と向き合うことにより、児童が示す変化や危険信号を見逃さないようアンテナを高く保ちます。
・気軽に相談できる関係づくり、児童、保護者等からいじめを訴えやすい体制を整えます。
・スクールカウンセラーやハートケア相談員、教職員による積極的な相談活動を行います。

②いじめを把握します。
・「児童のささいな変化に気づくこと」「気づいた情報を確実に共有すること」「速やかに対応すること」を基本として、いじめの把握に努めます。
・5W1H(いつ、どこで、だれが、なにを、どのように)を職員がいつも情報共有できるようにします。
・授業の様子、保健室の様子、ひまわり班活動の様子など、より多くの教職員が児童を見守り、情報を共有します。
・定期的なアンケートに加え、担任や養護教諭、スクールカウンセラー等による教育相談を充実させます。
・連絡帳や日記、日頃の声かけ等により、子どもの交友関係や悩みごとを把握します。
・学級満足度調査の児童の回答状況から、「いじめや冷やかしなど不快行為をうけているか」について把握し、いじめの深刻化を予防します。
・子どもの小さなサインも見逃さず、学年間やいじめ問題対策委員会等において気づいたことを情報共有し、よりたくさんの教職員が児童を見守ります。

③家庭、地域と連携して取り組みます。
・日頃から、子どもを中心に捉え、保護者、地域との信頼関係を築き、円滑な連携を図ることに努めます。
・家庭訪問により、子どもや保護者との信頼関係を構築します。
・子どもや保護者からいじめの相談があったときは、真剣に耳を傾け、速やかに対応します。

(3)いじめの早期解決のための取組
  いじめの発見・通報をうけた場合には、特定の教職員で抱え込まず、速やかに組織的に対応し、被害児童の人格の成長を旨として、教育的配慮のもと、毅然とした態度で指導します。

【具体的な取組】
①いじめの解決に向け取り組みます。
・いじめられた児童やいじめた児童から事実関係を聴取し、いじめが確認された場合、いじめ問題対策委員会で情報共有します。
・情報収集を綿密に行い、事実確認をした上で、いじめている側の児童に対しては、毅然とした態度で指導にあたります。
・いじめを発見にしたときには、学級担任だけで抱え込むことなく、全教職員が対応を協議し、的確な役割分担をして、いじめ問題の解決にあたります。
・ネット上の不適切な書き込み等については、被害の拡大を避けるため、直ちに削除する措置をとります。
・傍観者である児童に対しても、いじめている側の立場と同様であるということを指導します。
・いじめの再発防止のために、いじめた児童はもちろん、傍観者であった児童に対しても、いじめられている児童の苦しみや痛みに思いを寄せる指導を十分に行い、「いじめは決して許されない行為である」という認識を持たせます。

②いじめを受けた子どもや保護者等を支援します。
・いじめを受けた児童やいじめを知らせてくれた児童を複数の教職員で見守るなど、安全を確認します。
・いじめられている児童の安全を最優先に考え、スクールカウンセラーや養護教諭と連携を取りながら、心のケアに全力を尽くします。
・いじめを受けた子どもの保護者に、学校の取組についての情報を伝えるとともに、保護者からは、家庭での様子や友だち関係についての情報を聞き取り、指導に生かします。

③関係機関との連携
・学校内だけでなく、各種団体や専門家とケース会議を持つなど、連携・協力して解決にあたります。
・必要に応じて、松阪市教育委員会事務局学校支援課、育ちサポート室、松阪市子ども支援研究センター、人権まなび課、青少年センター、家庭児童支援課、中勢児童相談所などの関係機関と連携して、いじめ問題の解決を図ります。
・犯罪行為として取り扱われるべきと認められる事案については、教育委員会に連絡を取り、警察と相談して対処します。
・児童の生命、身体または財産に重大な被害が生じるおそれのあるときは、直ちに警察に通報し、適切な援助を求めます。

4 重大事態への対応

(1)重大事態が発生した場合は、松阪市教育委員会に速やかに報告します。
(2)教育委員会と協議の上、専門家を加えた当該事案に対処する組織を設置します。
(3)上記組織により、事実関係を明確にするための調査を実施します。
(4)いじめを受けた児童及びその保護者に情報を適切に提供します。
(5)調査結果を踏まえ、必要な措置を講じます。